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2017年07月10日

年の差婚の現実

2015年に国立社会保障・人口問題研究所が行った
「第15回出生動向基本調査(18歳から34歳までの未婚男女を対象)では、
5~6歳年下の女性を結婚相手に希望する18歳から34歳までの未婚男性は14,5%、
7歳以上年下希望は8,5%で、23%の未婚男性が5歳以上年下の女性を
希望していることが分かりました。
5人に1人以上は年の離れた、自分より若い女性を希望しているということになります。
ただし、同じ年齢から2歳年下までのほぼ同じ年齢女性との結婚を希望している男性が
最も多く、約6割に達しています。
年上女性を希望している男性が最も少なく、6,7%となっています。
次に、いくら男性側が年下女性との年の差婚を希望のライフデザインを持ったとしても、
女性側が年上男性との結婚をライフデザインとして持っていなければ、
叶う可能性は限りなく低くなるので、女性側の年齢差希望を見てみると、
未婚女性からは1~2歳年上の男性が最も支持されており、
約3割の女性が結婚相手として希望していることが分かりました。
僅差で同じ年齢の男性が希望されており、約6割の女性が同じ年齢から
2歳年上の男性までを希望しています。
このことから男女ともほぼ同じ割合の6割程度の男女が、ほぼ同じ年齢の相手との
結婚を希望していることが分かりました。
一方で、未婚女性の約8割が自分と同じ歳から4歳上までの男性を結婚相手として
希望していますが、同じ年齢から4歳年下までの女性を希望している男性は
約7割であり、未婚男性の5~6歳年下、7歳以上年下女性の希望割合が
女性の希望よりも高いです。つまり、男性の方がより若い女性を希望していることによる
希望のミスマッチがある、ということも見てとれます。
ここで、未婚男性側からこのデータを見ると、
「自分よりも3~4歳程度年下の女性まで」を結婚相手としてライフデザインしている場合は、
約8割の女性の希望と合致する為に、マッチング率が非常に高くなってきます。
また、女性は5~6歳年上の男性までを結婚相手として見ると、
マッチング率が高くなる、ということが指摘できます。
ちなみに、このデータは18歳から34歳までの未婚女性を調査対象としている為、
35歳以上を結婚相手として考える場合は、上記の指摘の例外となります。
■ 年の差婚の現実
しかしながら、未婚男女の結婚相手との年齢差希望がどうであれ、
実際は「出会ってみたらその希望は変わるかもしれない。
やはり出会ってみなければわからない」という議論は当然あり得ることです。
年齢差だけで決められるほど現実の結婚は安易なものではないはずです。
そこで、最近(2015年)結婚したばかりの既婚者の実際の年齢差のデータを
ご紹介します。2015年に初婚で婚姻届けを提出したカップルの
年齢差についての調査の結果です。
・未婚男女の年齢差希望が、男性側が同じ年齢から4歳年下までの希望で、
約6割であるのに対し、実際のその割合は57%であり、
希望と現実の乖離はほぼ見られません。
・男性が7歳以上年上の結婚は11%で、男性の希望をやや上回る結果です。
・希望と現実との間に顕著な乖離が生じたのは、男女とも1割を切る
最もマイナーな希望である「女性が年上」の結婚が、現実では24%に達しています。
2015年における妻が年上の「姉さん妻婚」は、
未婚における女性の希望の約6倍、男性の希望の約4倍にものぼり、
希望から照らしてみるとあまりに意外な「年の差婚」の実態が現れました。
■ 4組に1組が「姉さん妻」時代
最後に、姉さん妻カップルの長期推移・初婚夫婦の年齢差において、
夫が年上、妻が年上の2パターンの長期推移を示しました。
この40年間で夫が年上の伝統的パターンの結婚は約8割から約6割へと
大きく減少しています。その一方で、2000年の調査以降、妻が年上の結婚が
約2割へと増加し、2015年データでは、24,0%とおよそ4組に1組が、
妻が年上の姉さん妻婚であることが分かります。
希望段階では「姉さん妻婚」支持者は男女ともかなりマイナーであることを考えると、
やはり「結婚は実際に出会ってみなければわからない」という考えは
極めて正しい議論であることが支持される結果となったといえます。
そして実際に出会ってみた男女の結論が希望と乖離する場合、
その乖離の方向性が近年においては「実際に出会ってみたら、
年上女性・年下男性が意外と良かった」という姉さん妻婚にむかっているようです。
姉さん妻婚については古くから「1歳上の妻は金(かね)のわらじを履いてでも探せ」
といわれていますが、「妻が1歳年上」が最も多くなっています。
いまや「金のわらじ婚」は成婚カップルの全体の約1割を占めるようになってきています。
その次に多い姉さん妻婚は「妻が4歳以上年上」(6,5%)です。
テレビドラマ低迷時代の中でも驚異的な高視聴率を獲得したドラマ
「逃げるは恥だが役に立つ」において描かれた百合と涼太カップルではありませんが、
一般的な想像よりも年の差のある姉さん妻婚カップルが成立している様子が
うかがえます。データが示す年の差婚の現実は、夫が年上という
伝統的な結婚の急激な減少、ならびに妻が年上の結婚の増加という、
一般のやや想像を超えると思われるトレンドとなりました。

Posted by bap | 新着情報